エウラリアの楔 1st fragment CD 『エウラリアの楔』 特設サイト

「お前の意向など聞いていない。答は【Si(シィ)】しか認めない」
「……は」
「……本物の奴の死体が眠っているとは限らんからな。
 あれくらいの年齢の子供の死体など、いくらでも手に入る。
 替え玉を用意して鍵と共に逃がす……あるいはディーアはあの女が屠ったか。あの女狐ならやりかねん。
 ……そうだ、女といえば、アナスタシアには妹がいたな。なんという名前だったか……」


まるで一人言を呟いているようだが、注意深く主人の言葉に耳をすませていたリカルドは、記憶の針を巡らして返答した。

「……バルトのアラクラン……!」
「そうだ……バルトの蠍……【アラクラン・ナタリア】だ。そいつの首にとびっきりの懸賞金をかけてやれ」
「……は。しかし何ゆえそのようなピカロ(下賎)に……」
「【Si】か、【No】か……?」
「し、シィ!!!!」

これ以上俺をいらだたせるな、そう静かに言い放って席を立ったセレスティノは、すれ違い際に執事に注文をつけ加える。

「女海賊の傍に銀髪の子供の姿を見つけたら原型を留めて捕獲するよう付け加えておいてくれ。
 生きていなくても構わない。とな。」

美しい主君の恐ろしい微笑を目の当たりにして、リカルドは自分の肝が冷え切るのを感じたが、 深く一例すると足早にその場を立ち去りセレスティノの命令を実行に移した。



そして日があけた翌日、バルトの大海賊ナタリアに莫大な懸賞金がかけられた事で、町はさらに賑わう事になる。